「好きなことを仕事にしたい」
「得意なことを活かして、自分らしく過ごしたい」
そんな想いをカタチにした女性たちのこれまでとこれからについて、「ホントのところ」を語ってもらいました。
ロールモデル #002
ウェディングプロデュース エッコロ ウェディングプランナー
小屋カフェ「日と月と」店主 / 川口 明子さん
広島出身で、広島を拠点にウェディングプランナーとして活動してきた明子さん。
屋久島でのウェディングをプロデュースするようになったことがきっかけで、現在は屋久島へ移住。
小屋カフェもオープンし、屋久島でも活躍の場を拡げています。
撮影:田頭義憲
そばで仕事を見ていた人が
「きっかけ」と「自信」をくれました。
学生時代のアルバイト先のオーナーは、以前、ブライダルマザー(その頃は人生経験豊富な女性しかできなかった)をされており、私が卒業後の進路を考えていた頃に
「明子さんに向いていると思う」
と言ってくださったことがきっかけで、現在のウェディングプランナーという仕事を知りました。
小学生の時からお誕生日会やクリスマス会を企画するのが好きで、飾り付け、ドレスコード、料理内容などすべてを私が指定。
会に来てくれた友人たちが楽しんでくれていた姿を思い出した時、「同じことかも!」と思い、1年間専門的に学び始めたのが20歳でした。
その後、プロデュース会社に就職、会社の先輩が独立されたのをきっかけに23歳でフリーランスのウェディングプランナーとして活動を開始。
自分の意志というよりは、そばで私の仕事を見ていた人が勧めてくれたことが「認めてもらえた」という自信になり、あっさりと踏み出せたように思います。
「雨の島」でのウェディング。
広島で活動を続けていた2011年、かつてウェディングを手掛けたお客様から、
「フリーのウェディングプランナーを探している女性カメラマンがいるので、会ってもらえませんか?」
と言われました。
同じ広島で活躍されていたカメラマンでしたが、ほぼ初対面なのに
「屋久島でウェディングプラン作りませんか?」
と唐突に、とてもまっすぐにお話してくれたことが印象的でした。
この話をいただくまでは、正直、屋久島は沖縄かと思ってましたし、もちろん訪れたこともなく、「世界遺産・屋久杉」以上に知っているものはありませんでした。
ただ、彼女の勢いと、彼女の口から語られる屋久島の魅力を聞くとすぐにプランが思い浮かび、2ヶ月後には屋久島へ。(笑)
初めての屋久島は、梅雨前だったこともあり5日のうち4日が雨。しかも1日中土砂降り。
まさに「雨の島」を体感したわけですが、まったくイヤな気持ちにも怖い気持ちにもならず心地良過ぎて笑ってしまうほど。
この雨なら、そして屋久島に来るお客様なら、「雨のウェディング」になっても許してくれると確信し、本格的に屋久島ウェディングを始動することになりました。
広島から東京、そして屋久島へ。
2013年にカメラマンが移住を決め、屋久島ウェディングを待っていたお客様も多くなり、私も広島から屋久島へ頻繁に通うようになりました。
お問い合わせは全国各地からでメールのやりとり。
でも中には「直接話を聞きたい!」というご要望もありましたし、なにより「屋久島ウェディングをもっと広めたい」という想いが強くなり、動きやすい東京へと拠点を移し、東京と屋久島を何度も往復する生活へ。
屋久島ウェディングを立ち上げて5年目の年。
1年の半分が屋久島という計算になり、屋久島にも知り合いが増え、居心地がよかったので屋久島に住むことを決めました。
屋久島の魅力は、自然の雄大さはもちろん、人の程よい距離感とあたたかさ。
世界からも人がやってくるという活気と可能性がある島なのです。
島の人たちを身近に感じ、だれもが集える場所。
屋久島へ移り住んでからもウェディング事業はそのまま継続し、さらに島在住の方からも相談を受けるようになり、一層仕事の幅が広がりましたね。
ただウェディングだけでは人との関わりが少ないと感じたので、小さな小屋でテイクアウトのみのカフェを2016年4月にオープンしました。
島の人たちをより身近に感じ、さらに島を訪れる人たちも集える場所、それが小屋カフェ「日と月と」です。
コーヒー、チャイ、自家製ジンジャエール、あごだしポタージュ、そしてフルーツ王国・屋久島のフルーツソーダなどご用意しています。
当初、ウェディングプランナーであることをカフェでは宣伝していませんでしたが、それは人口1万3千人の島。
黙っていても広がるようで(笑)
「あの小屋に行けば、ウェディングの相談ができる!」
と、ウェディング相談窓口にもなっています。
お仕事を依頼しなくてもウェディングで気になることがあった時、お客様が気軽に気負いなく相談できる場所。
それは、独立して活動していた頃からずっと目指していたカタチでした。
もちろん、仕事ばかりではなく、屋久島は、海も川も山も温泉もあるというとても贅沢な島です。
時には友人とドライブへ行ったり、夏は川へ行って泳いだり、ピクニックしたり。
島外から友人が来島すれば、普段行かない森へ行ったりと。
満喫まではいきませんが、忘れそうになる自然への畏敬の念をこんなに身近に感じさせてくれる島を楽しみながら過ごしています。
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ウェディングプロデュース エッコロ
http://eccolo-web.net/yakushima.html
小屋カフェ「日と月と」
鹿児島県鹿児島郡安房650-113
https://www.facebook.com/hitotsukito/
https://www.instagram.com/hi_to_tsuki_to/